ノロウイルスの症状や治療法、汚物処理方法や環境の消毒方法

妊娠・出産・育児

今期も早くも流行の兆しを見せているノロウイルス。

もし、家族が感染してしまったらどうすれば…?

ノロウイルスの症状や潜伏期間、治療法と合わせて

家庭内感染を防ぐ方法を紹介します。


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ノロウイルスの症状や潜伏期間、治療法は?

ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、

ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。

健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、

吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。

現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。

このため、通常、対症療法が行われます。

特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、

体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。

脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。

従って、周りの方々と一緒に、予防対策を徹底することが大切になります。

下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので

使用しないことが望ましいです。

潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、

主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。

通常、これら症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。

また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。

ノロウイルスの検査についてですが、

通常の場合、臨床症状や周囲の感染状況等から、

総合的にノロウイルスを原因と推定して診療がなされていることが多いです。

このウイルスによる病気かどうかは、臨床症状からだけでは特定できません。

「ノロウイルス抗原検査」は、ふん便中のノロウイルスを

検査キットで検出するもので、3歳未満、65歳以上の方等を対象に

健康保険が適用されています。

医療機関で、医師が医学的に必要と認めた場合に行われ、

診断の補助に用いられます。

なお、この検査は、結果が早く出るメリットがありますが、

ノロウイルスに感染していても陽性とならない場合もあり、

ノロウイルスに感染していないことを確かめることはできません。

より確実な検査方法は、ウイルス学的な診断方法で、

比較的容易にウイルスを検出することができます。

しかしこの検査は、通常、医療機関で行うことはできず、

食中毒や集団感染の原因究明などの目的で、行政機関や研究機関等で行われています。

我が子可愛さにお医者さんに「ウイルス学的な診断をしろ!」と

詰め寄るのは控えてください。

ノロウイルス患者の汚物・吐物の処理方法は?

ノロウイルス患者の汚物や吐物を正しく処理し、

ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法を紹介します。

家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、

ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、

ヒトからヒトへの直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。

ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。

従って、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともに

ウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。

このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し

感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。

12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、

感染が起きた事例も知られています。

時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された

床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。

このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。

床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、

使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し

汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつを

ペーパータオル等で静かに拭き取ります。

拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床を拭き取り、


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その後水拭きをします。

次亜塩素酸ナトリウムは家庭用のハイター(塩素系漂白剤)で代用できます。

おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。

おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、

ビニール袋に密閉して廃棄します。

この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の

次亜塩素酸ナトリウムを入れると、なお良いです。

また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、

これが口に入って感染することがあるので、

吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、

処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう

空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。

乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行する

11月頃~2月の間の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、

ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、

おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

ノロウイルスに汚染された可能性のある調理台や調理器具は

洗剤などを使用し十分に洗浄した後、

次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。

また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は

熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。

なお、二枚貝などを取り扱うときは、

専用の調理器具(まな板、包丁等)を使用するか、

調理器具を使用の都度洗浄、熱湯消毒する等の対策により、

他の食材への二次汚染を防止するよう、特に注意するよう気をつけましょう。

先にも述べましたが、次亜塩素酸ナトリウムは、

家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます。

使用に当たっては「使用上の注意」を確認してください。

ノロウイルス患者が発生した場合の環境の消毒は?

布団などにノロウイルス患者のふん便、吐物が付着した場合、

付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように

ペーパータオル等で静かにふき取るなどの処理をした後、

洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。

その際に作業をする人がしぶきを吸い込まないよう注意してください。

下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適しています。

ただし、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、

次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。

その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。

布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、

スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。

また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウムで消毒後、

洗剤を使って掃除をする必要があります。

次亜塩素酸ナトリウムには漂白作用があります。

薬剤の「使用上の注意」を確認してください。

先程と同じで、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む

塩素系漂白剤でも代用できます。

使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。

ノロウイルス患者が使用した食器類の消毒方法ですが、

可能であれば食器等は、食後すぐに次亜塩素酸ナトリウム液に十分浸します。

また、食器等の下洗いや嘔吐後にうがいをした場所等も

次亜塩素酸ナトリウムで消毒後、洗剤を使って掃除をするようにしてください。

感染者が発生した場合、環境の消毒ですが、

ノロウイルスは感染力が強く、環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)

からもウイルスが検出されます。

感染者が発生した場合、消毒が必要な場合は

次亜塩素酸ナトリウムなどを使用してください。

ただし、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性がありますので、

消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするよう注意してください。

まとめ

本文中に何度も『次亜塩素酸ナトリウム』が出てきました。

聞き慣れない名前かもしれませんが、

キッチン用のハイターの成分を見てください。

ご家庭に常備されていない場合、

出来れば常備されることをお勧めします。

備えあって憂いなし、です。

感染力の強いノロウイルス、広めないよう努力しましょう。


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